「沈黙」の輝き
「沈黙」とは、ただ話をしないというだけではありません。「沈黙」とは私たちの内側にある「沈黙」というスペースを見つけることです。
そのスペースは喋らなくなると突然現れるものではなく、もともとずっと、そこにあったものです。それは私たちが静かになった時、初めて気がつきます。まるで、湖のみなもが静かになり、初めて水面の月に気づくように。
「沈黙」とは素晴らしい贈り物です。「沈黙」とは、もっとも自分らしい振る舞いです。一言も喋らなくとも、騒がしい人もいます。話をするけれど、「沈黙」がある人もいます。
ちえ深いこどもたちの中には、話さないことを選択する子がいます。彼らは、沈黙のスペースを早くから見つけているのです。
沈黙の輝きを、知っているのです。そこが彼らの居場所です。私たちは、彼らを外に出そうとするのではなく、彼らから学ぶ必要があります。
内側に入っている人の邪魔をしてはなりません。だからこそ、「沈黙」とは他者への奉仕(助け)でもあります。無用なおしゃべりに他の人を巻き込まないからです。興味をそそる話で、その人の、違う面を引き出さないからです。
口は喋ったり、喋らなかったりします。良いことを話したり、悪いことを話したりします。その間のすべてに、沈黙というスペースはあり続けます。
自分の内側の、沈黙というスペースは、
今日あったり、明日無くなったりしません。昔にも、今にも、未来にもあり、永遠にあり続けます。
私たちが騒ぐのをやめたとき、ようやく、私たちの「沈黙」のスペースは顔を出します。
わたしたちが静かになるのを待って、ずっとそこにあった「沈黙」が、輝き出すのです。
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